著者
ジェラルド・マーヴィン・ワインバーグ
書籍の概要
著者の深いコンサルタント経験を基に技術アドバイスの機微をあますところなく説き明かす,
理系と文系の両方を含む,よい仕事を目指す大人のための楽しくまた恐ろしい本。
共立出版より抜粋
手にとってみた経緯
私はSIerに勤めています。
その為、システム開発に関わる名著と呼ばれる書籍はどうしても気になります。
ただ、海外の著者の書籍は言い回しが独特で非常に読み難いものですが、
コンサルタントがどういった思考で仕事をしているのかに興味から手に取る事にしました。
この記事は本書を2015年に購入し、
2年の積読を経て、2017年に整理したEvernoteの情報を推敲し公開しているものになります。
何かしら気になる情報があった方は、是非、書籍を手に取って頂ければ幸いです。
特徴
対象読者
コンサルタントの頭の使い方を知りたい方。
良い点
著者は作家でもあり、プログラマでもあり、コンサルタントでもあり、etc.
IBM社出身の技術者としてはトップクラスの知名度を誇るワインバーグ氏の考察の鋭さが魅力的だ。
※ 同氏はアポロ計画の初期計画にもエンジニアとして参加している。
各章毎にどういった心構えや原則に則り仕事を行うべきかを我々に教えてくれる。
少し読み難いが、我慢して気になるページから読み進めて欲しい。
悪い点
最初に記載している通り、読み難い。
又、書籍の字も小さく、ジョークが散りばめられており、苦痛を伴う。
※ 海外の書籍のあるあるですが…
内容紹介
このエリアでは特に私が気に入っている点をポイント!として記載しておく。
「人のせいにしない」事は確かなのだが、「その人」の方向性を変えてみるとうまく行く事がある。
私は、課題や問題が発生した際は、この言葉を思い出して仕事をしている。 → 秀才が出来なければ凡人が出来ないのは仕方が無い。
時より秀才(コンサルタント)をコテンパンにする人がいて、高い金を払って成果がなかった!
と激昂する人もいるのが現実である為、立場や環境とは恐ろしいものである。
これに近い言い訳としては、「高稼働」が挙げられる。
「俺たちは来る日も来る日も残業と休日出勤に明け暮れた!」
この後には「出来る事はやった!しかし、駄目だった。。。」という言い訳を作れる。
※ 高稼働以外の対応を苦しいながらも考え、打つ出す必要がある。 → 超上流工程や上流工程では顧客から実現可能性(フィジビリティ)について質問が来る。
この時、「出来ます」も、「出来ません」も、賢い回答ではない。
「出来ます」についてはその裏側とQCDについても理由付けを語らなければならない。
「出来ません」についても同様であるが、極力代替案を提示し、
我々は「出来ます」に近付ける努力をする必要がある。 → 苦肉の策ですが、膨大な手戻りが発生する場合は、この観点を持ち出す事も視野に入れる。
問題は実は問題ではなくなる物の見方がある事を忘れない。 → 計画や実態を楽観視している時に自分自身に言い聞かせる時に思い出す言葉である。
計画や実態から問題となり得る芽を摘まなければならない。 → これは記載ミスではなく、本当に「契約は書面でしておけ」という助言である。
どの業界でも同じだと思うが、契約を口約束でしてしまうと、揉めた際に立場が弱くなる。
逆に言えば、その書面は相当な力を持っている為、記載には十分に気を付けなければならない。
次のアクション
顧客との折衝に活かせる部分を活かしてみよう。
ワインバーグ氏の言葉は自身の経験から紡ぎ出されているものですが、
海外の話だから。。。といった感想は持たないと思います。
※ ジョーク部分はおいておいて
ポイントに記載した点は、私自身も仕事を行う上で気を付けている点になります。
特に下流工程にて問題が顕在化した場合は、「ゴーマンの法則」を発動する事もあります。
作り手が考える問題と、顧客が思う問題は随分とズレがあるものです。
その為、問題が発生した場合は、事実を元に顧客に相談を行い、大手術を避ける折衝に臨んでいます。
この書籍を読んだ方が、何かしらの仕事のヒントを得られれば、幸いです。
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