【要約】イノベーションの神話

著者

スコット・バークン

書籍の概要

ビジネス、科学、テクノロジーの分野における「イノベーションの神話」を打破し、
本当に必要なこと、いま自分ができることを知るための本。
『アート・オブ・プロジェクトマネジメント』著者の最新刊。

Amazon 内容(「BOOK」データベースより) 抜粋

手にとってみた経緯

私はSIerに勤めています。
イノベーション(技術革新)というものは起こそうと思い起こるものなのか。
どういった前提条件が満たされる場合に起こるものなのか。
その様な点に興味があり、手に取る事にしました。

この記事は本書を2008年に購入し、
2017年に再度読み整理したEvernoteの情報を推敲し公開しているものになります。

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イノベーションの神話 [ スコット・バークン ]
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特徴

対象読者

イノベーションが神話化されるプロセスに興味がある方

良い点

イノベーションはさも素晴らしいプロセスで誕生した様に語られる。
しかし、歴史的なイノベーションが偶然によって生み出されたものであったり、
人命に影響を与えるデメリットを持つイノベーションであったりする場合がある。
イノベーションの背景はどれ程素晴らしいものであるかを例を元に提示してくれる。

悪い点

最高のイノベーションの起こし方は教えてくれない。
その代わりに、何事にも試してみる事の大切さや勇気を貰える書籍である。
どれ程馬鹿げたアイデアでも、実はイノベーションに繋がるアイデアの場合もある。
本書の歴史的イノベーションの例は、そういった事を思わせる力がある。

内容紹介

このエリアでは特に私が気に入っている点をポイント!として記載しておく。

ポイント! 我々のアイデアは根底に誰かのアイデアの元に成り立っている。
 → ある日突然誰も見たことがないイノベーションが起きるのではなく、
   イノベーションは何かしらの元となるアイデアと新たなアイデアの組み合わせである。
   この考えはTEDでは以下の内容がより深く学ぶ事が出来る。
   マット・リドリー: アイディアがセックスするとき
   https://www.ted.com/talks/matt_ridley_when_ideas_have_sex/transcript?language=ja

ポイント! もっとも優れたアイデアが勝つわけではない。 現在のキーボード配列は早くタイプ出来ない事を狙ったタイプライターの配列を由来としている。
そして、これがデファクトスタンダードになっている。
これは優れたアイデアではなく、これが変わる時は、代替の入力方式が発明されるまで変わらない。
 → ダーウィンの進化論にもあるが、最も優れた種が生き残る訳ではない。
   アイデアも同様な事が起きており、優れている・優れていないは置いて発散させた方が良い。

ポイント! イノベーションはメリット・デメリットを考える事を忘れてはならない。
本書では「農薬」のイノベーションを例に論じられており、
食物連鎖の結果、農薬はコレラを生み出す結果になった。
 → 最高のイノベーションを齎す時、一歩対岸を眺め、そこに潜むデメリットはないかを考える。
   これはイノベーションに関わらず、普段の仕事の中でも言える事だ。
   熱狂している自分に気が付いた時、一度冷静になる時間を設けたい。

ポイント! イデアを殺すセリフ
・そんな事はもう既に試してみた。
・そんなことはやったことがない。
・ここではそんな風にしない。
・そんなことはうまくいくはずがない。
・そんな予算はない。
・それは興味深い問題ではない。
・そんな時間はない。
・そんなことは上役が承認しない。
・それは関係のない話だ。
・誰もそんなことを喜ばない。
・そんなものは採算が取れない。
・お前はなんて馬鹿なんだ?
・お前は口ばっかりだから黙ってろ。
 → 相手から言葉を奪う台詞として覚えておいても良いかもしれない。
   ただ、そう台詞を吐きながらも逆の発想を考える余裕を持ちたいものだ。

次のアクション

イデアを考え、論理的にそのアイデアのメリット・デメリットを整理してみよう。

コロンブスの卵ではないが、アイデアは聞いてみれば思い浮かびそうな物だが、
いざ自分自身で考えるとなると浮かばないものだ。
かくいう私もアイデアを出すのは苦手であり、アイデアマンに畏敬の念を感じている。

こういったアイデアを生み出す力を養いたい方は、
ジェームス・W・ヤング著の『アイデアのつくり方』がおすすめです。

この書籍を読んだ方が、何かしらの仕事のヒントを得られれば、幸いです。

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