「すぎ田」に行ってみた。美しき2つの銅鍋と二代目の気概。特徴、レビュー(すぎ田@蔵前)

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お店の概要

都営浅草線蔵前駅から国道462号線を 三ノ輪、浅草方面に4分程歩いた所に 今日ご紹介する「すぎ田」さんは店を構えています。

1977年創業の老舗とんかつ、洋食屋さんです。
元々は浅草雷門近くで営業していましたが、1991年に現在の土地に移転し、洋食といってもエビフライとソテー、そしてオムレツのみで勝負をしている面白いお店です。

現在の店主は2011年に二代目店主となった佐藤光朗氏であり、先代のお父様の跡を継ぐ形ですぎ田の暖簾を守っています。

店先の硝子に貼られた「継旦連」の紙からも店主の気概を感じ取れます。

待ち時間

ある土曜日の13時に到着した所、5人待ち。
私が待っている間に後ろに4人が並び、繁盛店である事が伺えます。
事前にオーダーを取られ、20分後に店内に入りました。

この地に移転して約30年だよな?
そう思うほど店内は整然と、そして綺麗であり、一度改装しているのかもしれません。

取り分け目を引いたのが美しい2つの銅鍋であり、高温と低温の鍋を使い分ける事で、すぎ田のとんかつは完成するとの事。

とんかつというやつは、揚げ方一つとっても奥の深い料理です。

メニュー

中価格帯でも高い部類に入ります。
とんかつヒレ ¥2,500
とんかつロース ¥2,200
ごはん ¥300
豚汁 ¥200

特徴

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とんかつロース+ご飯+豚汁
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とんかつロース(アップ)

すぎ田のとんかつは千葉県産の豚肉を使用しており、仕入れの状態によっては別の豚を使用しています。脂を処理した豚である為、胃がもたれないとんかつを謳っています。

肉の断面はほのかにピンクを残す程度であり、肉は薄めにスライスされ、衣は剥がれるのでは?と思うほどの薄さですが、全て剥がれてしまう程の弱さではない点が印象的です。

何もつけずに一口目を頂くと、豚の主張がほのかに聞こえてきます。強烈な甘さや脂が押し寄せてくる訳でもなく、衣はサクリと歯応えを与えてくれます。

脂っこいとんかつを敬遠している方にも十分お勧めできるバランスの良いとんかつだな。噛み進めるにつれ強く感じます。

調味料は甘口ソース、醤油、塩(国産)、ウスターソースがありますが、個人的には塩と甘口ソースの半々で頂きました。甲乙付け難し!

目黒のとんき、高田馬場のひなたにも通じますが、すぎ田の調理場の風景は、とんかつを揚げる職人の心意気を感じます。店主の真向かいのカウンターで食事をしていた為、揚げられていくとんかつを間近で楽しめたのはとんかつ好きとしては堪りませんでした。

揚げ時間は計測はしていませんが、約15分といった所でしょうか。高温と低温の使い分けなどは感触や感覚なのかもしれません。私が食事をしている間では分からず終いでした。

スタッフの方々

店主の佐藤さんは寡黙な職人タイプではなく、店内のお客さんに目を配り、「キャベツは何度でも。ご飯は一度だけおかわりできますので。」といったサービスについての念押しや、気配り、スタッフの方々は入店、提供時、帰り際も気持ちの良い挨拶、お茶の提供などの接客が行き届いていました。この点は不快感を抱く事は全くありませんでした。

キャベツを食べ終えてからおかわりをと思っていたのですが、佐藤さんは「キャベツ、お持ちしますね。」とニコリと対応下さり、頂いたキャベツを猛烈な勢いで頂きました。実に気持ちが良い。

おわりに

昭和のとんかつ、平成のとんかつ、令和のとんかつ。 とんかつにも様々な個性がお店によってあります。

何処が一番かとか、点数がどうだとかはちょっとした参考だけにして、是非、色々なお店に行って欲しいです。

すぎ田のとんかつは個人的には中価格帯で見れば高く、この価値基準を見直す為には、より高いとんかつを食べるしかないだろうな。と考えています。

ただ、私が両親を連れてとんかつを食すならば、このすぎ田が良いなとフト感じました。

そう感じたお店は今まで多くはなく、どうやら私は、このお店のとんかつにひっそりと感動してしまった様です。

ごちそう様でした。

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住所

〒111-0042
東京都台東区寿3丁目8−3


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