メンタルヘルス・マネジメント検定合格記 Ⅱ種(ラインケアコース)、Ⅲ種(セルフケアコース)

※ 本記事は5分程の分量があります。

対象読者

メンタルヘルス・マネジメント検定に興味がある方
メンタルヘルス・マネジメント検定に最短で合格したい方
メンタルヘルス・マネジメント検定のメリット、デメリットが知りたい方

メンタルヘルス・マネジメント検定とは?

メンタルヘルス・マネジメント検定とは、大阪商工会議所が2006年から実施している公的資格です。
目的としては働く人達の心の不調の防止と、活力ある職場作りを目指し、職場内の役割に応じて必要なメンタルヘルスケアに関する知識と、対処方法の習得を目的としています。
「職場内の役割に」とある様に3つのコースに分かれており、上から順に視座が低くなっていきます。

コース名 対象者 目的
Ⅰ種(マスターコース) 人事労務管理スタッフ、経営幹部 社内のメンタルヘルス対策の推進
Ⅱ種(ラインケアコース) 管理監督者(管理職) 部門内、上司としての部下のメンタルヘルス対策の推進
Ⅲ種(セルフケアコース) 一般社員 組織における従業員自らのメンタルヘルス対策の推進

受験者数の推移としては、第20回(2016年3月)以降からⅡ種(ラインケアコース)の受験者数が1万人を超えており、その数の半分がⅢ種(セルフケアコース)、更にその半分がⅠ種(マスターコース)といった受験者数の割合になります。

合格率としては、Ⅰ種(マスターコース)が2割程度、Ⅱ種(ラインケアコース)が5割程度、Ⅲ種(セフルケアコース)が8割程度といった所で、Ⅰ種を除けばそこまで難しい検定ではない事が伺えます。

受験への背景と目的

休職中にどん底まで落ち込んだ私が、リワークを経て徐々に心身の状態を戻していく過程で、自身について様々な事を振り返る事が出来ました。
自分は何を大切に生活をしていて、どの様な認知を持ち、どの様な反応が出てしまうのか。そして、どの様な行動をとってしまうのか。
あの頃に戻れるならばどの様な対処が考えられたか。再びあの様な状態に陥った際にどの様な対処が出来そうか。etc.
そうしたリワークの時間は、私にとって内なる声との対話の時間であり、立ち止まる、これから先を生きていく上で、良いきっかけとなりました。

ただ、そうして得たものは体系的な知識ではなく、経験的な知見や第三者からのアドバイスといったものに偏っており、
他にどの様な受け取り方が出来るかの。どの様な事に気をつけなければならないのか。を考える手段として、この検定を探し当てました。

復職を目指していた私としては、この試験のⅢ種(セルフケアコース)はリワークの知識を基にして必ず合格出来るように、
そしてⅡ種(ラインケアコース)は部下が心身の不調を起こさない様にする為に何が出来るかを学ぶ為に目標に掲げました。

結果として、両方の検定に正答率8割で合格した為、ここに記録を残します。

試験準備

試験まで2ヶ月の時間があった為、以下の順序で学習しました。

1.Ⅱ種(ラインケアコース)とⅢ種(セルフケアコース)に共通する知識をインプット
2.Ⅲ種(セルフケアコース)の知識をインプット
3.Ⅲ種(セルフケアコース)の模擬試験を実施し、ギャップを分析
4.Ⅱ種(ラインケアコース)の知識をインプット
5.Ⅱ種(ラインケアコース)の模擬試験を実施し、ギャップを分析
6. 1.に戻り、次回は模擬試験ではなく、過去問に切り替えて苦手分野を潰す


使用した教材は以下の通りです。
テキストについては公式の書籍ではなく、Ⅱ種(ラインケアコース)とⅢ種(セルフケアコース)が混在した書籍を選びました。
公式テキストの方が幅広い知識をカバーしているのですが、要点が掴み難く、より重要な知識を早く習得する為にこちらの書籍としています。

・安全衛生教科書 メンタルヘルス・マネジメント(R)検定2種・3種 テキスト&問題集 第3版 (EXAMPRESS)


メンタルヘルス・マネジメント検定試験3種セルフケアコース過去問題集 2023年度版
 こちらは実際の過去問題集になります。単元毎に過去問題が集まっている為、類似問題を繰り返し学習出来、頭の整理にも役立ちました。


メンタルヘルス・マネジメント検定試験2種ラインケアコース過去問題集〈2023年度版〉
 こちらも実際の過去問題集になります。単元毎に過去問題が集まっている為、類似問題を繰り返し学習出来、頭の整理にも役立ちました。


学習を始めてみて感じたこと

リワークにて学んできた事については再学習であったり、より統計的な裏付けの元、この様な対処をしなければならないのだな。と学ぶ事が出来ました。
それ以外の知識については労働安全衛生法に始まる法律の部分についてはなかなか頭に入ってこず、Ⅱ種(ラインケアコース)はこういう所を当然知っておかなければならないよな。と管理職になる気力は随分と削がれた私でしたが、なぜこの様な法律が存在するのか。について背景から学ぶ事が出来ました。

今まで資格といえば、情報処理技術者試験PMP、その他ベンダー資格を取得してきました。
その為、今回の様なITとは異なる分類の知識を学ぶ事が出来たのは、良い意味で幅が広がったと感じています。

テキスト一読後の模擬試験の正答率

テキストを一読した後、どの程度の正答率が出せるのかを模擬試験を用いて計測してみました。
何れの検定も55%前後の正答率であり、合格は70%以上の正答率が必要である為、残り15%をどう向上させるかの作戦を立てます。

私の場合は、以下の様に問題を大別し、頭の中を整理していく学習を行いました。
厳密にするのは性に合わない為、大雑把な判別でまずは進めました。

1.全く分からない問題
  → 設問、選択肢の内容を元にテキストにて内容を確認する。
2.消去法で A or B のどちらかが合っている気がする。まで辿れた問題
  → 選択肢の内容を元にテキストにて内容を確認する。

過去問に挑戦

模擬試験はあくまで模擬試験の為、ここからは実際の過去問を元に学習を進めました。
ここでも模擬試験と同様に、大別した記録を残していき、どの理解が曖昧であるのかを明確にしていきました。
必要に応じてテキストに戻り、場合によっては他の類似問題の解説から理解を深める事も行いました。
過去問題集を1周した頃には何となくやり終えたな。程度の達成度しかありませんが、2周もする頃にはほぼ頭に入っている状態になりました。

この一連の学習時間でⅡ種(ラインケアコース)とⅢ種(セルフケアコース)合わせて30時間程度になります。
Ⅱ種(ラインケアコース)のみであれば、20時間程度あれば合格水準に達する事が出来ると思います。
※ より安全圏を狙いたい場合は、30時間程度(1.5倍)あれば万全ではないかと。

試験当日

試験当日ですが受験者の年齢層は30代以上の方が多い様な印象を覚えました。
とりわけⅡ種(ラインケアコース)は対象者が管理職となっている事もあり、年齢層は高めです。
試験については退出可能時刻になれば退出は可能ですので、悔いなく答案を書けたならば、早めに退出してしまっても問題ありません。

Ⅱ種(ラインケアコース)と、Ⅲ種(セルフケアコース)は同日別時刻で受験が出来る為、早めに退出した際は、次の試験に備えて記憶を整理するのが良いです。

おわりに

8割の正答率で両方の検定を合格する事が出来ました。
休職に陥り、布団から起き上がる事も出来なかった日々を考えれば、合格率の高い試験ではありますが、合格出来たという結果は自信に繋がりました。
行動し、それに伴ってプラスの方向に物事が転がった時、やはり嬉しいものです。

もし、何かしらメンタルヘルスについて学んでみたい。と感じている方。
特にどうしてこの様な対処が求められるのかの背景から学びたい人は、この検定は得るものがあると思います。
何かしらこの記事が、誰かの参考になれば幸いです。

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