【要約】自分の小さな「箱」から脱出する方法

※ 本記事は5分程の分量があります。

著者

アービンジャー・インスティチュート

対象読者

人との関わりに悩んでいる方
人とどうしても衝突してしまう方

書籍の概要

哲学者、心理学者、法律家などの学者が人間科学の本質に潜む「Self Deception:自己欺瞞」の問題を長年考え抜き、その研究結果を本書を通して発表しました。
内容はストーリー調になっており、米国企業で働く主人公ルーは、仕事と家庭の両方で問題を抱えていますが、職場のボスとの出会いで人生が変わっていく物語です。
本書は読みやすいですが、とても考えさせられる一冊になっています。
自己欺瞞(箱)は日常のどこにでも存在しており、大多数の人はその存在に気づいていません。

アービンジャー販売書籍一覧「概要」より抜粋

手にとってみた経緯

私はコミュニケーションにおいて相手と極力争いたくありません。(ネガティブな表現で言うならば、本音を言わない) 時より相手が無責任過ぎると仕事でもプライベートでも争う事もありますが、極力温和です。 とはいえ、人間関係を円滑にする為の方法を学ぶ為に手にとってみました。
この記事は2017年にEvernoteにまとめた情報を推敲し、公開しているものになります。


特徴

良い点

物語の体裁をとっており、著者のシチュエーションが理解しやすい。

悪い点

物語の体裁の為、要点を掴みにくい。
この記事の内容が理解出来れば、後は実践である。

内容紹介

「箱」とは何を指しているのか?

まず、この書籍のタイトルにもある『自分の小さな「箱」』について説明する。
これは自らが「○○した方が良い」という考えに背き、その背いた行動の正当性を見出した状態を表している。 常態化した場合は「性格」の一部として捉えて頂いて良い。

「箱」の誕生からの流れ

1.自分が他人の為にすべきだと感じたことに背く行動を取る。
2.背いた行動を正当化する為の視点を見出す。→「箱」に入る。
3.自分以外をその正当化の視点から見る為、現実が歪む。
4.時間の流れとともに幾つかの箱を自分の性格と見做す様になる。
5.自分が箱に入っているが為に他者もまた、箱に入ってしまう。
6.箱の中にいる者同士は互いに相手を手酷く扱い、互いに自分を正当化する。

ポイントはすべき行動に背く(自己欺瞞)事からこの流れが発生してしまうという事だ。「私の行動は仕方がない。あいつが○○しないのが悪いのだ。私はこれだけ行動しているのに、なんてあいつは酷いんだ。」こう考えてしまうのは誰しも一度や二度はあるのではないでしょうか。

「箱」から抜け出すには

自分が人にどのような影響を及ぼすのかは、箱の外に出ているか否かにかかっている。箱の外に出て初めて相手を一人の人間として接する事が出来、相手との良好な関係が作れる。
「箱」から抜け出す為にすべき事は、相手を受け入れることだ。

相手を受け入れる

1.自分は完璧ではない事を認識すること
   完璧だと思っているならばそれは思い込みである。その為、より良くなろうと日々心掛けよ。
2.他人を変えようとするのではなく、自らが箱から出る事に力を注ぐこと。
3.相手が箱に入っていることを指摘しても事態は好転しない。むしろ悪化する。
4.自分が箱の中にいることに気が付いた場合はそこから出る努力をせよ。ムキになって箱の中に居続けてはならない。
5.他人の誤りに注目するのではなく、正しい方向性に向かう為の手を貸す方法を考えよ。
6.相手が期待に応えない事に腹を立てるな。

次のアクション

箱を認識する事から意識改革を始めよう。
箱に入っているならば出ることに挑戦しよう。

おわりに

相手を変えられるなどと考えるのは傲慢だ。
何かで目にした事がある台詞で、私はこれをある種の真理と思う事で失望する事を止めました。ただ、少しでも自らが変わり、相手もその影響を受けてもらえないかは常に考えています。

気が付けば三十代になり、年上も年下も適度にいる立ち位置になりました。人と関わらなければ前に進められない仕事を生業としている事もあり、私自身が日々学ぶ事ばかりです。

この書籍を読んだ方が、何かしらの仕事のヒントを得られれば、幸いです。

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「とんQ」に行ってみた。老舗のバランス良きとんかつ。特徴、レビュー(とんQ@川崎)

お店の概要

最寄り駅は京急川崎駅であり、旧東海道から第一京浜の間にご存知の地区がある。
あまり子供に通らせたくはないものであるが、このお店に向かうまでの間であれば、そういったお店には遭遇しない(はず)為、もし子供から質問された場合は冷静に対処しましょう。

さて、京急川崎駅から、旧東海道を超え、第一京浜に向けて6分程歩いた所にお店があります。
1963年創業の老舗といっても良いお店です。
私が初めてこのお店の敷居を跨いだ際は「えっ、これお店?」と思った程、開放的な玄関があり、靴を脱いでお邪魔をした為、少々緊張しました。(十年以上前の話ですが…)

待ち時間

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時よりあのお店のとんかつはどのような味だったかな?と思い出せない時があります。そして、月日が経てば自らの味覚や好みも変わってしまう為、数年ぶりにお邪魔する事にしました。
このお店は行列に直面した事がなく、落ち着いた店構え、店内からとてもゆっくりと食事が出来ます。どうにも川崎駅周辺はグルメとしては弱い街(ラーメンは幾つか美味しいお店はあります。)で、グルメが充実すれば頻繁に足を運ぶのだけれども…と思わざるを得ません。

さて、お店は店主と女性の1名の2名体制で、店内はまだお客さんがいない状態でした。

お姿

オーダーしたのはロースカツ定食(¥1,950(税込))です。
価格帯は蒲田の「丸一」さんより高く、浜松町の「のもと家」さんより安いです。

ロースカツを待つ間、店内は小さなTVが夕方のニュースを流しており、それ以外の音は厨房からとんかつを揚げる音が聞こえ心地が良いです。
お新香とお茶を楽しみながら10分程でロースカツが運ばれました。

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ロースカツ定食

特徴

器にぎっしりと盛り付けられたロースカツとキャベツのインパクトがあります。調味料についてはそこまで充実している訳ではなく、醤油、とんかつソース(甘口)、塩が置いてあります。

さて、久しぶりのとんQさんのとんかつを頂いてみます。
どこの銘柄の豚なのかは分かりませんが、肉の弾力と程よい脂、揚げ具合ともに良い塩梅です。
ここのロースカツは塩、とんかつソースのどちらでも合う為、食べ方に飽きる事もないと思います。

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ロースカツ定食(アップ)

おわりに

数年ぶりにとんQさんのロースカツを頂きましたが、安定の美味しさでした。 林SPFより個人的には脂が押さえられており私の身体には合っているとんかつでした。

食事をしている間に続々とお客さんが来店しており、私が一番最初に訪れた頃から変わらず長く愛されているお店だと思います。
立地はあれですが、これからもおいしいとんかつを提供して欲しいと願うお店でした。

ごちそう様でした。

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グルメ、食通、ダイニング

住所

〒210-0004
神奈川県川崎市川崎区宮本町5−2

食べログ

tabelog.com

【要約】ハーバード流交渉術

※ 本記事は8分程の分量があります。

著者

ロジャー フィッシャー
ウィリアム ユーリー

書籍の概要

ハーバード大学交渉学研究所のメイン・スタッフが開発・構築した交渉術の決定版を全て公開。「相手のほうが強いとき」「相手が話に乗ってこないとき」「相手が汚ない手口を使ってきたとき」でも、その上をいく画期的な、この方法を会得したあなたの交渉力は飛躍的に向上。
Amazon 「BOOK」データベースより抜粋

手にとってみた経緯

「交渉」は大なり小なり、日常生活においても「交渉」は顔を出します。
私は仕事において顧客と交渉を行う様になり十数年しか経っていませんが、未だに難しさを痛感します。
おそらくこの難しさは「交渉」という事がある限り、誰しも避けては通れないものだと思っています。

徐々に交渉にて扱う規模が大きくなり、様々な交渉の考え方を学びたかった事もあり、その勘所をこの書籍に求めました。

この記事は2019年にEvernoteにまとめた情報を推敲し、公開しているものになります。


特徴

対象読者

プロジェクトマネージャー
プロジェクトリーダー
交渉に携わる全ての方

良い点

自分勝手な主張を行うのではなく、原則に基づいた交渉方法について学ぶ事が出来る。
内容と、価格面から鑑みれば「交渉」について記載された本としては良書です。

悪い点

理想と現実がある為、ある場合では適応出来ない部分がある。
※ そういう所は軽く読み飛ばせば良いと思います。

内容紹介

原則立脚型交渉とは?

原則に基づき、双方の人(立場)に焦点を合わせるのではなく、利害に焦点を合わせた折衷案を目指す交渉方法を指す。
絶対的な敗者を交渉によって生み出すのではなく、双方何かしらの利点がある結果を得られる交渉である。
又、「交渉」となっているが、日常のコミュニケーションとしても活用が可能だ。

原則立脚型交渉を知る前に忘れてはならないこと

利点について言えば、自分が「100%」の利点を得られた方が良い。
しかし、その様な交渉は往々にして難航し、折衷案を模索する事になるのは想像に難くないだろう。

この交渉方法は「元請け」と「下請け」の場合には「ほぼ」機能しない為、注意すること。
「元請け」からすれば、この案で「おたく(下請け)」で出来ないなら他を当たるわ。となる為だ。

交渉を始める前、交渉中の心構え(交渉決裂を防ぐ為に)

◎ 相手の人間性を尊重すること。
◎ 相手の立場や主張を理解する努力をすること。
◎ 双方の意見の差異(ギャップ)を双方が認識すること。
◎ 意思決定に影響を及ぼす相手は必ず検討過程から交渉の場に参加させること。
  ※ 後から異論を持ってそいつはやってくる。

相手の感情問題を解消させる5つの方法

1.自分と相手の感情を認識し、理解すること。
2.自分がどの様な感情を抱いているのかを吐露する。
3.相手の言い分はすべて聞くこと。
4.感情を爆発させている場合は交渉にならない為、反撃しないこと。
5.相手への心配りを怠らないこと。
   ※ 相手の主張の尊重や立場への同情、自らが残念な感情を抱いた場合は遺憾の意を表明する。 etc.

相手と意思疎通を行う4つの方法

1.相手の意見・感情、言わんとする内容を汲み取ること。(前述した1.に同じ)
2.共通の問題を持つ者同士で協力出来ないかを考えてみること。
   ※ 会議の後に各々が相談に走る姿がそれに近く、双方の情報をオープンにし、交渉を前に進める。
3.相手が何をどうしたではなく、私は何をどう感じたかを伝えること。
   ※ あなたは反故したと責めるのではなく、私はあなたに失望しました。とする。
4. 役に立たない発言は合意形成を遅らせる為、そういった発言はしないこと。

利害を探る5つの方法

1.なぜ相手はそのように主張するのかを相手の立場になって自分自身で考えてみる。
  その上で相手を理解する為に質問を行い、相手の主張の背景を理解し、利害を探り出す。
2.相手の主張を頭から否定するのではなく、一理あると考えてみる。
  その上で、自分の主張をなぜ合意出来ないのかを考え、利害を探り出す。
3.結論から述べた場合、即刻反発される可能性が見込まれる場合、理由から述べる考慮を行うこと。
4.自分の主張を幾つかの案として準備し、相手が合意可能な案を柔軟に切り替えられる様にすること。
  又、案については部分的に相手が合意可能な場合もあり、その際はそれ以外の合意出来ない部分に焦点を合わせる。
5.その案を合意した場合にどの様なデメリットが発生するのかを考察すること。

相手と合意形成が出来ない場合の5つの方法

1.相手の主張の根拠は何かを相手に説明してもらう。
2.自らの主張の何が問題(悪い)なのかを相手に説明してもらう。
3.相手が自分を攻撃してきた場合は、個人的な攻撃は無視し、問題にのみ対応する。(感情的にならない。)
4.相手が語り手から降りるまで無言を貫く。(無言は相手への追加情報の呼び水となる。)
5.第三者の調停者を含めて別途交渉を行う。

交渉が成立しない場合を考慮せよ

交渉が成立しない場合に自分にどの程度のデメリットが出てしまうのかを一覧にて整理しておくこと。
リスク管理と同様にどこまでが合意出来る限界のボーダーラインであるかも同時に整理しておくこと。

原則立脚型交渉にする為のキーワード

1.私が間違っていたら教えて下さい。
  自らが謙る事で間違っていれば相手はその旨を指摘し易く、正しい場合は相手は私(自分)は理解出来ている事が確認でき、安心に繋がる。
2.あなたの行動には感謝している。相手を支援する。
  相手は私と同じ人間であり、敬う気持ちや感謝の気持ちを表すこと。
  又、こちらが相手を支援すればする程、相手はこちらの申し出を裏切る事が難しくなる。
3.私は公平か否かが知りたいのです。
  誰が悪いのか。どの様な文句があるのかを聞きたい。言いたいのではない。
  公平な意見であるか否かに聞きたい旨を伝えること。
4.欲得ずくや、力ずくではなく、原則に則って解消したいのです。
5.あなたへの信頼と主張の公平さ、原則は別問題です。
  相手が「私を信頼出来ないのか?」と迫ってきた際は、主張と人を分けて考えること。
6.あなたの主張の根拠はどのようなものでしょう?
7.双方の意見が合意出来れば○○になりますが、合意出来ない場合は△△になります。それでも良いですか?
  自らが交渉の場から降りられると相手が困る場合等にこのキーワードが使いやすい。

  例えば、SIer業界であれば、発注元がベンダーロックをしている場合、そのベンダーは大きな力を有する。
  その時、そのベンダーは顧客と縁を切る覚悟があり、契約違反にならない場合は、「では、弊社は撤退します。」まで暴論だが突きつける事が出来る。(極端な例ですが…)

次のアクション

交渉の場に出た事がない方は、交渉とは何をするものなのかを学んでみましょう。
交渉の場に出た事がある方は、絶対的な正解は交渉においてない為、様々な引き出しを持ちましょう。
そして、何より交渉を楽しみ、夢の「Win-Win」へ落とし込める様に善処しましょう。

私も交渉の場に出る機会は人生の先輩方より、勿論少ないです。
だからこそ、顧客、先輩の背、自らの経験以外の方法で、この様に学び、実践しています。

この書籍を読んだ方が、何かしらの仕事のヒントを得られれば、幸いです。

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