【要約】セルフケアの道具箱

※ 本記事は8分程の分量があります。

著者

伊藤絵美

対象読者

・今、とても苦しい方
・不安や悩みがぐるぐると巡っている方
・自分をどう労ってあげれば良いか知りたい方

書籍の概要

メンタルの不調からの回復とは 「セルフケア」ができるようになる事。
人気カウンセラーが紹介するセルフケア100 のワーク

ストレス、不安、不眠などメンタルの不調を訴える人が「回復する」とは、 「セルフケア(自分で自分を上手に助ける)」ができるようになること。
「洗足ストレスコーピング・サポートオフィス」の所長であり、30 年にわたってカウンセラーとして多くのクライアントと接してきた著者が、その知識と経験に基づいたセルフケアの具体的な手法を100 個のワークの形で紹介。
裏付けとなるのは、「ストレスマネジメント」「認知行動療法」 「マインドフルネス」「コーピング」「スキーマ療法」といった理論や手法。
それらを、一般の方がわかりやすいように、可能なかぎり専門用語を使わずに紹介します。
イラストは漫画家の細川貂々さん。コロナ禍で不安を抱える人にも!

Amazon「概要」より抜粋

手にとってみた経緯

心身の不調が酷くなり始めた頃(うつ病初期)、対策の為の知識を欲しました。
その中でカウンセリングや、認知行動療法を試し始める事になり、書籍についても調べ始めました。

本書は認知行動療法についてはそこまで深く説明はしておらず、
あくまで自分をどう労ってあげれば心が穏やかになるか?について手法が100個書かれています。
そういった部分で即効性もあるだろう。という事で本書に救いを求めました。


特徴

良い点

・自分を労り、心を穏やかにする手法が100個ある為、次々と試す事が出来ます。
・100個も手法がある為、何かは自分に合う手法が見つかる可能性が高いです。
・難しい内容は書かれていない為、読みやすく試みやすいです。

悪い点

・なぜその手法を行うのか?についてはあまり詳しく説明されていません。そこが気になる方は不向きです。
・余裕を持って書かれている為、ページ数が300ページ程度あり、存在感があります。
・イラストが不要なのに…と思うページが幾つかあります。内容に目を向けましょう。

内容紹介

気になる章から読み始める事が出来る

今、あなたが必要としている事はなんでしょうか?
その内容に応じて、必要なワークを100個の中から探してみて下さい。
以下に各章を記載しておきます。

私は当時、精神状態が非常に悪かった為、第1章から読み始めました。

第1章 とりあえず、落ち着く
第2章 誰かとつながる
第3章 ストレッサーに気づいて書き出す
第4章 ストレス反応に気づいて書き出す
第5章 マインドフルネスを実践する(身体、行動、五感を使って)
第6章 マインドフルネスを実践する(思考、イメージ、感情に気づいて手放す)
第7章 小さなコーピングをたくさん見つけよう
第8章 生きづらさの「根っこ」を見てみよう
第9章 「呪いのことば」から「希望のことば」へ
第10章 「内なるチャイルド」を守り、癒す

自分の苦しさを認めて受け入れる

ここからは私が参考になったワークを紹介してみようと思います。

まず、このワークですが、自分が苦しい感情を抱いている事をまず認める事から始めます。
そしてその苦しさを文章で書き記したり、言葉に発してみたりします。
苦しさの原因に対して何もアプローチしていませんが、やってみると少しだけ心が軽くなります。

私は自宅で「苦しい!」、「辛い!」、「しんどい!」、「寂しい!」、「死にたい!」等を叫んでいました。
当時はどうしようもない感情をこの様な形で外に吐き出していました。

サポート資源について情報収集する

精神疾患が酷い状態である時、どうにも身体が動かせない事があると思います。
他にも何も考えたくない(考えられない)事もあると思います。
ですので、少し症状が落ち着いて来た時にこのワークをしてみましょう。

このワークでは、自分以外に助けてくれる人の存在を情報収集するワークです。
精神疾患に対して、一人で立ち向かう姿勢は素晴らしいと思います。
ただ、世の中には様々な助けて貰える場所や人がいます。
その為、頭の片隅には、そういう存在がいるのだ。と思うだけでも少し気が楽になると思います。

私の場合は、以下の様なサポート資源があります。
・家族
・会社の上司
・会社の保健師
心療内科のカウンセラー
・リワーク施設の心理士や他の通所者

物理的なストレッサーに気づいて書き出す

このワークの特徴は、ストレッサー(ストレス要因)を書き出す事でストレスを認識する事です。
「物理的」というのは、自分ではどうしようも出来ないストレッサーを指すので、例えば…。
・雨が降っている
・騒音がうるさい
などがありますが、立派なストレッサーです。

自分が何にストレスを感じているのかを外在化してみると、自分の事がよく分かります。

その他ストレッサーに気づいて書き出す

物理的なストレッサー以外にも以下の様な観点でストレッサーに気付き、書き出してみましょう。
自分のストレスを書き出してみるとそれだけでも心が軽くなります。

・家庭や家族や家事や育児や介護に関するストレッサーには何があるか?
 →例:家が汚い。夫が家事をやらない。子供が言うことをきかない。親の介護がうまくいかない。
・仕事や学業に関するストレッサーには何があるか?
 →例:給料が少ない。責任が重すぎる。成績が上がらない。
・人間関係に関するストレッサーには何があるか?
 →例:同僚と反りが合わない。友人と疎遠になっている。失恋した。
・お金や生活面でのストレッサーには何があるか?
 →例:貯金が出来ない。隣人の騒音がうるさい。
・自分の心身についてあるいは心身の健康に関するストレッサーには何があるか?
 →例:将来の事が不安だ。生活習慣病を患っている。

ストレス日記をつける

ストレッサーに気がつく様になると、日々のストレスを習慣的に記録する事をおすすめします。
こうしたストレスがある事は悪いことではなく、あった事として外在化すると心が軽くなります。

私の場合、仕事で忙殺されていた頃は、日々のストレスは見つめようともせず蓄積し続けました。
今思えばそういった感じた事をもっと大切にしてあげれば良かったなと感じます。
当時の仕事の報告書を読み返すと、「辛い」、「うまく行かない」、「問題が山積している」等など。
自分で何とかしなければ、という思いだけで走り続けた気がします。
もっと自分に目を向ける時間も必要だったと思います。

外在化する時間がなければマインドフルネスを

書き出す事が時間的に難しければ、その感情を覚えた時にその感情の良し悪しを判断する事なく、
ただただ、私はその感情を覚えたのだ。とだけ認識してあげましょう。
ネガティブな感情を捨てる必要はないのです。

その後は認知(考え方)を変える手法をとっても良いですし、問題解決の手法をとっても構いません。
瞬間的な感情を認識するだけでも、心は軽くなるものです。

次のアクション

100個のワークがありますが、ピンと来ないものもあります。
ただ、選り好みせずに試してみてから、自分に合う、合わないを判断する事をおすすめします。
認知行動療法を知らない人でも、このワークを実践すれば、その考えの一端を自然と学ぶ事が出来ます。
我々が欲しいのは認知行動療法ではなく、自分の辛い心が軽くなる事なので、手法には拘らなくて良いでしょう。

ただ、もし専門的な事を学びたいのであれば、認知行動療法を学ばれる事をおすすめします。

おわりに

100個のワークは素直に多すぎると最初は感じました。
しかし、何か一つでも自分に合うワークがあるかもしれない。と思わせてくれる数だと思います。
100%効く手法はなく、効かなければ他の手法を試す。くらいの気持ちの方が辛い時には役に立つでしょう。

辛い気持ちに蓋をせず、自分を労る心と余裕を持つ。
そうした生活を営む一つの切っ掛けに本書がなれば、紹介した私としては嬉しいです。

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ストレスとうまく付き合う3つの方法

※ 本記事は8分程の分量があります。

対象読者

・最近ストレスが多くネガティブな感情ばかり感じている。
・ストレスがうまく解消出来ずに悩んでいる。
・自己肯定感が低くて悩んでいる。

みなさんは仕事やプライベートにてストレスを感じていますか?
おそらく、「ノーストレス!」と言える人はほぼいないのではないでしょうか。
それほど人が生きていく中で、ストレスは避けては通ることが出来ないものです。
そのストレスが原因で、時には身体や精神を壊す場合もあります。

私の場合はストレスが原因で、適応障害うつ病を患いました。
その為、過度なストレスが身体や精神に与える影響の怖さを身をもって体験しました。
今回の記事では、そのストレスという魔物とどう付き合えば良いかをまとめてみました。

ストレスとは何か

ストレスとはカナダの心理学者ハンス・セイリエ博士が定義によると、
「外的刺激が心や身体に及ぼす悪影響と、それを排除しようとする防御力の総和である。」
とされています。
外的刺激が切っ掛けとなっている為、人が生きていく上ではストレスは必ず付き纏うものになります。

ストレスの受け止め方とストレスの大きさの変化

あるストレスを受け取った際、
その人自身に対する考え方や、他人に対する考え方、生育歴、生活環境、体調などの要素によってストレスの大きさは変化します。

例えば、ある仕事を任された際、自分のプラスになると考えて仕事を行うか。
ただ嫌々と仕事を行うかでは、ストレスの感じ方が変わると思います。
その為、あるストレスを受け取ると、人はそれぞれ異なったストレスの受け取り方をする訳です。
ストレスに強い、弱いといったポイントはこの部分にヒントが隠されています。

ストレスをコントロールする為に必要な事

ストレスをコントロールするにはどうすれば良いのでしょう?
まず、コントロールする為にはストレスを認識する事です。
自分は今、ストレスを感じている。ストレスが蓄積されている気がする等、感じてみましょう。

ストレスのコントロール方法

では、認識したストレスをどの様にすればコントロール出来るのかについてですが、以下の3種類の方法があります。

ポイント! ①ストレスの受け止め方を変える(認知行動療法では、認知(考え方)を変えるとも言います)
②ストレス要因を取り除く
③ストレス解消法を行う
具体例として、
ある仕事を任された際に自分ではどうしても出来ない箇所があり、酷く落ち込んだという場面を挙げてみます。
この時、その人の頭の中では以下のような考えや感情、身体的な反応があったとします。
・考え方:私は駄目な人間だ。他の人の助けを借りてしまうなんて出来ない奴だと思われる。
・感情:落ち込みや悲しみ
・身体的反応:動悸、冷や汗

こういう事態に陥る人もいると思います。(私の場合は、まさにそれです。)
こういう事態ばかりに遭遇していれば、どんどん自分の気分が落ち込み、抑うつ傾向になってしまいます。
では、このストレスをコントロールを試してみましょう。

①ストレスの受け止め方を変える
先程の「私は駄目な人間だ。」に対して、反論する考え方を捻ってみましょう。
例えば、
・自分一人で出来ている箇所もあるではないか。だから、駄目な人間だと考えるのは短絡的だ。
・この問題をそのままにしておいても良いことは何もない。さっさと他の人の助けを借りよう。
・この問題を解消すれば一つ知識や経験が増えるぞ。 etc.

あくまで一例ですが、こうした考え方は少しだけ心が穏やかになりませんか?
この様に悪い面ばかりに目を向けない姿勢がとても大切です。

②ストレス要因を取り除く
次に対処までに時間は掛かりますが、ストレス要因そのものを取り除いてしまう方法があります。
これが成功すればストレスが取り除かれる為、心身が穏やかになります。

先程の例では例えば、
・自分では出来ない箇所を第三者に遂行して貰う。
・出来ない箇所に対して、異なる観点で代替案を模索してみる。
・その仕事をやる必要のない部署へ異動する。(極端な発想ですが・・・)

③ストレス解消法を行う
このコントロール方法は、ストレス要因に対してアプローチをせずにストレスを和らげる方法になります。
例えば、今日はもう眠ってしまう。とか、趣味に没頭する。とか、暴飲暴食する。とか、ですね。
ストレス要因は残ったままですが、ストレスは和らいでいると思います。
即効性を求めるならば、こちらも上手に使うと良いでしょう。

以上3つの方法を駆使する事で、あなたが受けるストレスの大きさは変えられる事が出来ると思います。
瞬間的にストレスを受け止めてしまうのではなく、一歩立ち止まり考える事も大切です。

おわりに

様々な事に忙殺されているとストレスを把握してどう対処するかを考える時間は失われていきます。
そうして知らず知らずの内にストレスに押し潰されてしまう。なんて事もあります。

私はリワークに通いながら、この様な一歩立ち止まって考える考え方を身に着けようとしています。
どこまで効果があるかは復職を経ていない為分かりませんが、以前ほど劣等感塗れの人間ではなくなった様に思います。

ストレスは生きていく上でなくなる事はありません。
その為、ストレスとうまく付き合う方法を身に着けて生きていかなければなりません。

以下にストレスをコントロールするコツが分かる書籍のリンクを貼っておきます。
2009年刊行の書籍になりますが、ストレスを理解するには良い書籍になります。

では、この記事を読んだ方が、ストレスとうまく付き合え、心身ともに健康な生活が営めますように。

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【要約】嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え

※ 本記事は8分程の分量があります。

著者

岸見 一郎 , 古賀 史健

対象読者

・今の自分を変えたいと思っているが、なかなか一歩踏み出せない理由を知りたい方
・自分で色々な仕事を抱えてしまうタイプの方
・相手の顔色を伺って生活している方

書籍の概要

「あの人」の期待を満たすために生きてはいけない――
【対人関係の悩み、人生の悩みを100%消し去る〝勇気〟の対話篇】

世界的にはフロイトユングと並ぶ心理学界の三大巨匠とされながら、日本国内では無名に近い存在のアルフレッド・アドラー
「トラウマ」の存在を否定したうえで、「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と断言し、
対人関係を改善していくための具体的な方策を提示していくアドラー心理学は、
現代の日本にこそ必要な思想だと思われます。

本書では平易かつドラマチックにアドラーの教えを伝えるため、
哲学者と青年の対話篇形式によってその思想を解き明かしていきます。
著者は日本におけるアドラー心理学の第一人者(日本アドラー心理学会顧問)で、アドラーの著作も多数翻訳している岸見一郎氏と、
臨場感あふれるインタビュー原稿を得意とするライターの古賀史健氏。
対人関係に悩み、人生に悩むすべての人に贈る、「まったくあたらしい古典」です。

Amazon「概要」より抜粋

手にとってみた経緯

本書を書店で平積みされている事は知っていました。
しかし、アドラーという馴染みのない心理学者というのもあり、今まで手にとって来ませんでした。

ただ、私が適応障害うつ病を患った事から、今の心の在り方を変えたいと思うようになりました。
知らず知らずの内に精神を病んでしまった為、その対処方法を本書に求めたのです。

本書は物語形式で進み、読むのに面倒な点はありましたが、私はスルスルと引き込まれていきました。
あなたの悩みも、もしかしたら少し楽になるかもしれません。
今回はそんな本の紹介です。


特徴

良い点

・物語形式で話が進む為、ある一定の記憶の定着を見込めます。
・あなたが何故変わる事が出来ないのか?という回答を得ることが出来ます。
・あなたが何故辛い思いをしてしまうのか。それはどう対処すれば良いのかが分かります。

悪い点

・物語形式である為、何が言いたいのかをサッと把握する事が出来ません。
・登場人物の青年のセリフが感情的で少々読むのに辟易してしまう時があります。

内容紹介

あなたが幸福になりたいのに、不幸を選んでしまう理由

誰しも幸福になりたいと思っていると思います。
しかし、自分は不幸だと感じる人が私を含め、きっと多いと思います。(満たされないと感じている)
○○があったら、○○ではなかったら、そんな声がいつも聞こえます。
ただ、アドラーはその不幸を選んでいるのは自分だと言います。

アドラー曰く いまのあなたが不幸なのは自らの手で「不幸であること」を選んだからなのです。
あなたが変われないでいるのは、自らに対して「変わらない」という決心を下しているからなのです。
人はいろいろと不満はあったとしても、このままのわたしでいることのほうが楽であり、安心なのです。
変わる事で生まれる不安と、変わらないことでつきまとう不満。
あなたは後者を選んだから変われないのだ。

可能性の中に生きるという自己防衛措置

私になになにがあったならば、なになに出来るのに。
そうした事をつい口にしてしまう事があると思います。
しかし、そういった事を口にする人が、その事柄を達成する事はほぼないでしょう。(私もそうです)
その理由をアドラーは以下の様に語ります。

アドラー曰く 「やればできる」という可能性を残しておきたいのです。
人の評価にさらされたくないし、ましてや駄作を書き上げて落選する、という現実に直面したくない。
時間さえあればできる、環境さえ整えば書ける、自分にはその才能があるのだ、という可能性のなかに生きていたいのです。

自分の事を好きになれないでいる理由

アドラーは目的を達成する為にその行為・行動を自ら選択しているといいます。
つまり、短所ばかりに目が行く人は、その短所がある目的を達成する為に必要である為、短所に目が行くのだ。と。
本書では青年の例として以下の様な目的の達成が挙げられています。
これは非常に共感できる内容でした。

アドラー曰く なぜあなたは自分が嫌いなのか?
なぜ短所ばかり見つめ、自分を好きにならないでおこうとしているのか?
それはあなたが他者から嫌われ、対人関係のなかで傷つくことを過剰に怖れているからなのです。
あなたは他者から否定されることを怖れている。
誰かから小馬鹿にされ、拒絶され、心に深い傷を負うことを怖れている。
そんな事態に巻き込まれるくらいなら、最初から誰とも関わりを持たないほうがましだと思っている。
つまり、あなたの「目的」は「他者との関係のなかで傷つかないこと」なのです。

では、どうやってその目的をかなえるのか?
答えは簡単です。
自分の短所を見つけ、自分のことを嫌いになり、対人関係に踏み出さない人間になってしまえばいい。
そうやって自分の殻に閉じこもれば、誰とも関わらずにすむし、仮に他者から拒絶されたときの理由づけにもなるでしょう。
わたしにはこういう短所があるから拒絶されるのだ、これさえなければわたしも愛されるのだ、と。

人間関係における課題を分離せよ

人の活動は人間関係を無視して語れません。
例えば、色々な物事に口を出したり、口を出されたりする訳です。
その様な時に有効な手段としてアドラーは課題の分離という手段を提示します。

アドラー曰く われわれは「これは誰の課題なのか?」という視点から、自分の課題と他者の課題とを分離していく必要があるのです。
そして、分離した後、他者の課題には踏み込まない事です。

あらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むこと―
あるいは自分の課題に土足で踏み込まれること―
によって引き起こされます。

誰の課題化を見分ける方法はシンプルです。
「その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か?」を考える事。

自分の価値を実感する瞬間

自分の価値を実感する瞬間とは、あなたはどの様な時でしょう?
私は誰かの役に立てたと実感出来た瞬間でしょうか。やって良かったと報われます。

アドラーも同じ事を語っていますので、その部分を紹介します。

アドラー曰く 人は「わたしは共同体にとって有益なのだ」と思えたときにこそ、自らの価値を実感できる。
「わたしは誰かの役に立っている」と思えること。
他者から「よい」と評価されるのではなく、自らの主観によってわたしは他者に貢献できていると思えること。
そこではじめて、われわれは自らの価値を実感することができるのです。
ここでの大切な事は、自らの主観という箇所です。
本当にそうであったかを本質にしてしまうと、相手にコントロールを任せる事になります。
その為、自分でコントロール出来る主観という視点で役に立てたと考える事で満たされるのです。

人生の3つのタスク

そろそろ記事も終わりに差し掛かります。
ここではアドラーが言う人生の3つのタスクについて紹介します。
アドラーは人生には3つのタスクがあり、そのバランスを取りなさいと言います。
①仕事のタスク
②交友のタスク
③愛のタスク

どうでしょう?
バランス良く活動出来ているでしょうか?
私の場合は、仕事のタスクを優先しすぎていた気がします。
休日は眠ってばかりいる。そして平日は馬車馬の様に働く。といった感じですね。
アドラーは他のタスクに活動出来ていないのは、あるタスクを口実に他のタスクの責任を放棄していると述べます。
痛い所を突いていますが、バランス良く生活するのは相当難しいので、ここは日々意識的に活動する必要がありますね。

次のアクション

言っている事は分かるが、どうにも行動するにはハードルが高いな。という意見もあるでしょう。
一歩一歩日々意識していれば、徐々により良い人生を生きる為の活動が出来るのではないかな。
私はそう思うようにしました。

意識して生活してみる。それだけでも十二分に効果があると思います。
本書を読みつつ、「反応しない練習」を読んでいた事もあり、類似点も見受けられ勉強になりました。
もし良ければ、以下のブログ記事も参照下さい。
少しでもあなたの悩みが無くなれば幸いです。

look-good-on-paper.hatenablog.com

おわりに

私は短所ばかりに目が行ってしまい、そういう性格なのだと思っていました。
しかし、その行動の元凶を辿ると、「もっと出来る自分がいる」可能性を残したい。といった思いがあったりします。
こうした行動を選択を変える事が出来るのは自分だけです。

一歩一歩、より良い自分に変わっていければ良いな。そう感じさせられる書籍でした。

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